はじめに
教えている生徒で、将来薬剤師になりたいという生徒がいます。
僕は正直その夢に疑問をもって、「その仕事、なくならない?」と思ったりします。
なぜならおそらく「AIの得意分野」だからです。
薬剤師になるのは勉強コストとしてはけっこう大変で、がんばってやっとなれたと思ったら、だんだん仕事がなくなるとかなると、すごくかわいそうだからです。
なので、僕も未来のことはわからないのですが、一緒になって調べたり、生徒にも進路について調べてもらったりしています。
もちろん僕は薬剤師の夢を否定したいのではなく、しっかりと調べて、考えて、いい人生をつくっていってもらいたいと思っています。
薬剤師は就職でひっぱりだこらしい
先日、不動産屋の人に案内されて、住宅をみていると、その方の娘さんも薬剤師を目指しているということでした。
今どきは薬剤師は理系では医者の次にレベルが高く、また就職先もいろいろあってひっぱりだこになるというのが、その方の認識でした。
僕としては「おそらくAIのことまでは考えていないだろうな」とは思いましたが、就職の需要が多いというのは、きいていて「なるほどな」と思いました。
だから薬学部に行きたい人は、僕は否定的な意見を出したりしますが、実際はそうとも限らないので、就職先の候補をいろいろ把握できるといいですね。
「誤断」というドラマをみました。
先日、「誤断」というドラマをみました。
「誤断」というのは、「間違った判断」という意味です。
玉山鉄二さんが主演で、製薬会社の社員を演じています。
このドラマをみて、薬を開発したり販売したりする人のことが学べました。
こういうドラマはもちろんフィクションではありますが、そうはいっても実際のことをふまえてつくられているのですごく勉強になります。
注意点としては、いいところやわるいところがクローズアップされて、現実とはちがう部分もあるのでそこは気をつけてください。
たとえば、僕は教師になりたかったので、「みにくいアヒルの子」とか、「GTO」とか、いわゆる感動系であったり、熱血系であったりをみて、そういうのに憧れていました。
実際先生になってみると、意外と事務的な部分も多かったり、また生徒とのコミュニケーションもよほどの話のうまさやカリスマ性がないと、憧れが通用しなかったりします。
このドラマから学んだこと
・薬剤師と医師は同じ、なぜなら人の命にかかわるから。
ドラマの内容
玉山鉄二は長原製薬という、日本最大手の製薬会社に勤めています。
玉山さんが、副社長から今までの仕事の実績をかわれ、ある薬の副作用について調査する役を命じられました。
玉山さんは「なんで私なんですか?自分はただ言われた仕事をこなしただけで、自分の意思でなにかしたわけではありませんし」と謙遜したりします。
副社長は「だから選んだ」と言います。
「お前は言われた仕事は完璧にこなす、でも自らの意思や余計なことを主張したりはしない。そこを俺はかっている」と。
この会社は薬に副作用があることを確認し、そして隠蔽することにしたので、玉山は「人の命がかかっているんですよ?」と疑問を感じるようになりました。
その後、この会社が40年前におこした事件が問題になります。
想定外の台風で会社のタンクがたおれ、海を汚染しました。
そのとき海の魚を食べた人たちが「長原病」という神経病を患ってなくなりました。
でもそのときは、会社は被害者に300万円をつつんで、隠蔽しました。
街の住民も、長原製薬のおかげで街が発展してきて感謝していましたし、また政治家などもでてきて、その示談を受け入れざるをえなかったのですが、ずっと矛盾や葛藤を抱えていました。
そして、今40年たち、また長原病の患者がでてきていることが問題になりました。
そのときに潮風をすっていた子どもたちに40年たって発症しているのです。
40年前と時代がかわり、被害者は弁護団を結成して訴訟をおこそうとします。
それでも会社は40年前とかわらずお金をつつんで住民をだまらせようとします。
玉山さんは、会社に反発しながら、住民を説得し、そして会社のあり方をかえようとします。
まとめ
このドラマをみて「薬を開発することは人の命にかかわることで、その意味で医師と同じ」ということを、僕は初めて考えてとても勉強になりました。
また副社長にも玉山さんにも住民にもそれぞれの立場で事情があり、葛藤する姿に、問題の難しさを感じました。
そして最初は自分の意見をもたなかった玉山さんが、会社や社会の問題に直面し、自分の意見をもっていく成長物語としても面白く、また考えさせられました。
冒頭にも述べたように、ドラマではありますが、でも製薬会社の勉強にもなり、また人間の感情の勉強にもなります。
薬剤師を目指す人、また他の分野を目指す人もぜひみてみてください。
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